通帳レスが信用金庫でも普及
2019年2月21日に、株式会社NTTデータが、次のような発表をしました。
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、一般社団法人しんきん共同センター(以下:しんきん共同センター)とともに、しんきん共同センター加盟金庫利用者の通帳レス推進に向けたシステム開発に2018年より着手し、既存口座の「通帳レス」口座への切り替え、および新規口座での「通帳レス」口座開設を可能とする新サービスを2019年8月めどに提供開始します。本サービスは、しんきん共同システム加盟の信用金庫のうち220以上が利用予定です。
大手の銀行などで広がる通帳レス、つまり、デジタル通帳の導入が、2019年8月より信用金庫でも実現します。
すでにいくつかの信用金庫で、通帳レスの普及が進められていますが、今回は、220以上の加盟金庫で利用できるようになるということで、その利便性の向上が期待されています。
目次
信用金庫の場合、通帳レスへの切替方法は?
通帳レスを利用したい信用金庫に、すでに普通預金口座・総合口座を保有していれば、簡単に通帳レスへの切り替えができます。
わざわざ来店する必要もなく、PCやスマホから、「店番、口座番号、氏名、生年月日、電話番号、キャッシュカード暗証番号」による本人確認をするだけ。
新規で口座を開設する場合は、通帳レスが推奨されますが、希望によって、従来通り、紙の通帳を選ぶこともできます。
信用金庫の通帳レス、メリット・特長は?
PCやスマホからいつでも明細情報が参照できる
普段、お金をおろす際、コンビニなどのATMでキャッシュカードだけを使う人も多いと思います。
そのため、わざわざ通帳を持ち歩くこともなく、記帳を先延ばしにしてしまいがちですよね。
しかし、長い間記帳をしないと、合算記帳となり、それぞれの入出金明細が確認できないこともあります。
通帳レスなら、銀行やATMに行く手間も不要。
いつでもどこからでも、PCやスマホで、明細や残高が参照できます。
「毎回記帳に行く時間がないけれど、ちゃんと口座を管理したい」「リアルタイムに取引明細情報を確認したい」という方に、おすすめです。
既存口座の口座番号は変わらない
もしも口座番号が変わってしまうと、クレジットカードや公共料金などの引き落とし先などを変更する手続きをしなければならず、面倒ですよね。
しかし、信用金庫の通帳レスは、既存口座の口座番号が変わることなく、そのまま通帳レス口座へと変更できます。
これまで通り利用できるので、自動引き落とし(口座振替)も安心です。
メモ登録や明細検索ができる
紙の通帳と同形式の明細情報が参照できるのはもちろん、メモ機能や検索機能を利用できます。
メモは、入出金明細ごとに全角20文字以内で好きなように書き込むことができるので、出金理由などをメモしておけば、使途不明金の発生を防ぐことができます。
また、検索機能については、期間や金額、メモなどを絞って明細検索ができるので、とても便利です。
これは紙の通帳にはできない、大きなメリットと言えそうです。
(※①)
なお、通帳レスの導入には、利用者側だけではなく、信用金庫側にとっても、「通帳発行・管理コスト」「未記帳明細に関するダイレクトメールの郵送コスト」の削減というメリットがあります。
利用者側・信用金庫側、双方にメリットがある通帳レスは、これからもっと広がりを見せるのではないでしょうか。
通帳レスでも印刷・ダウンロードできる?データの保存期間は?
2019年6月11日現在、詳細が発表されていませんが、おそらく、照会した明細については、紙にプリントアウトしたり、データとしてダウンロードが可能となるでしょう。
また、データについては、「通帳レス」切り替え後に実施した取り引きから、2年間分が保管されることになります。
そのため、従来の紙の通帳のように、頻繁に記帳する必要はなくなりそうです。
紙の通帳との併用はできない
新規口座開設の際、希望によって紙通帳の利用を選択することはできますが、デジタル通帳との併用はできません。
新規口座は「通帳レス」口座の開設時から、また、既存口座は「通帳レス」口座に切り替えたら、窓口端末やATMにて通帳は使えません。
信用金庫でも通帳レスにしたら、手数料無料などの優遇装置がとられるかも!?
今のところ、通帳レスにすることで、優遇措置を受けられる特典やキャンペーンは発表されていません。
一足早く通帳レスを導入している三井住友銀行では、Web通帳(デジタル通帳)の利用者限定で、ATM時間外手数料や、コンビニATM手数料(月3回まで)などを無料にしています。
※手数料の優遇は、SMBCポイントパックご契約口座(残高別金利型普通預金口座)にWeb通帳の契約があることが条件です。
そのため、信用金庫でも、もしかしたら、通帳レスにした方限定で、何か優遇措置がとられるかもしれませんね。
※① 信用金庫の通帳レス推進に向けた新サービスの提供 | NTTデータ