「キャッシングやカードローンの利用履歴が、他のローンに影響を与えるのかどうか」「住宅ローンや自動車ローンと総量規制の関係」「奨学金の借り入れによる影響」について、お話したいと思います。
将来、住宅ローンや自動車ローンの利用を考えている方
今後、自宅や自動車の購入を考えている方は、キャッシングやカードローンを利用すると、住宅ローンや自動車ローンの審査に落ちる(通りにくくなる)のでは?と不安を抱えていらっしゃるかと思います。
結論から言うと、必ずしも影響があるわけではないですが、通りにくくなる可能性はゼロとは言い切れません。
その理由は・・・?
キャッシングやカードローンを利用すると、必ずその人の情報が、信用情報機関に登録され、「今までどこでどれくらい借りたか」「延滞はしていないか」などが、一目瞭然となります。
そして、住宅や自動車など、高額なローンの審査では、絶対にその信用情報をチェックされます。
そのため、遅延を繰り返していると、事故情報として、すぐにわかってしまい、審査に影響が出る可能性が否めないというわけです。
この事故情報というのは、いわゆるブラックリストのことで、最大10年、信用情報機関に登録されます。ただし、その期間が経過すれば、全て削除されるものです。そのため、一度、ブラックになったからといって、一生、住宅ローンや自動車ローンが組めないわけではないということです。
そしてもちろん、「消費者金融や銀行からお金を借りた=ブラック」ではありませんので、あまり多くの会社から借り入れをせず、問題なくきちんと返していれば、自宅や自動車の購入に、影響は少ないというわけです。
つまり、重要なのは、キャッシング・カードローン利用の有無というよりは、その返済状況だということです。
現在、住宅ローンや自動車ローンを組んでいる方
既にローンを抱えている方からは、「総量規制の関係で、これ以上は借りられないのでは?」という質問を、よく受けます。
確かに、貸金業法で年収の3分の1までしか借りられないというのは正しいのですが、住宅ローンや自動車ローンは、総量規制の対象外です。
金融庁のサイトにも、下記のとおり明記されています。
住宅ローンや自動車ローン(※)は、総量規制の適用除外となっています。したがって、住宅ローンや自動車ローンがあるため、借入残高が年収の3分の1を超えていたとしても、総量規制には抵触しません。
※ 住宅ローン、自動車ローンについて
住宅ローンや自動車ローンのうち、貸し手が銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農協等の金融機関である場合、そもそも、貸金業法の適用がある貸付けではないため、総量規制は適用されません。
住宅・自動車で借り入れがあっても、キャッシングやカードローンの借り入れとは切り離して考えてよいと言えます。
年収の3分の1以上借りる方法はある?総量規制の仕組みを解説します
現在、奨学金を返済中の方
進学のために、奨学金を借りた方も多いかもしれませんが、この奨学金も借金の1つです。
そのため、「今も返済している場合、キャッシングやカードローンの審査に通らないのではないか?」「総量規制の対象となって、これ以上借りられないのではないか?」という不安を抱いている方もいらっしゃると思います。
しかし、原則、奨学金の借り入れが、消費者金融や銀行の借り入れ審査に影響することはありません。
その理由は、奨学金を利用しても、キャッシング等の審査時にチェックされる信用情報機関に登録されないため、現在、借り入れがあるということがキャッシング業者に知られないからです。
ただし、奨学金返済の延滞を繰り返していると、信用情報機関に登録され、キャッシング等の審査時に、事故情報として、知られてしまうことがあります。その場合は、審査に影響が出る可能性もありますので、ご注意ください。
また、総量規制については、住宅ローンやマイカーローンと同じく対象外ですので、心配ありません。