必死に受験勉強して大学に入学したのに、急なトラブルが発生し「お金が足りず学費が払えない・・・」という状況は誰の身にも起こるものです。
学費を払えなくなったからといって、大学を辞める選択をするのはまだ早いです!
ここでは、さまざまな制度を利用する方法やお金を調達する方法など、大学を辞めずに通い続けるための方法をいくつかご紹介していきたいと思います。
目次
大学側に授業料の「免除」「分納」「延納」をしてもらう
授業料を支払うことが難しくなった場合の対処法として、まずは大学の学生課に相談しに行きましょう。
多くの大学では授業料の「免除」「分納」「延納」の制度が設けられており、個人の状況に合った選択ができます。
免除
免除とは、授業料の全額または半額を支払わなくてよいという制度です。
授業料を免除してもらうには、世帯の総所得金額が基準額以下、かつ、学力が水準以上である必要があります。
全額免除の条件・・・世帯の総所得が以下の金額以下である必要があります。
世帯人員 | 総所得金額 |
1人 | 880,000円 |
2人 | 1,400,000円 |
3人 | 1,620,000円 |
4人 | 1,750,000円 |
5人 | 1,890,000円 |
6人 | 1,990,000円 |
7人 | 2,070,000円 |
半額免除の条件・・・世帯の総所得が以下の金額以下である必要があります。
世帯人員 | 総所得金額 |
1人 | 1,670,000円 |
2人 | 2,660,000円 |
3人 | 3,060,000円 |
4人 | 3,340,000円 |
5人 | 3,600,000円 |
6人 | 3,780,000円 |
7人 | 3,950,000円 |
分納
分納とは、授業料を分割して支払うことができる制度です。
一括で全額を支払うよりも分割で支払うことで、家計の圧迫も避けられるため払いやすくなります。
私立大学でも分納制度が設けられているところが多く、一般的に授業料の支払いを2回~6回に分けられます。
この分納制度を利用するには、世帯の総所得金額や学力の条件が各大学で異なる可能性があるため、ご自身の大学に確認してみてください。
延納
延納とは、授業料の支払い期限を延ばしてもらえる制度です。
これも各大学によって異なりますが、一般的には2ヶ月~半年程度支払い期限を延ばしてもらえます。
授業料を全額支払わなければならないことは変わりませんが、支払う時期を遅らせることでお金を調達できるならば、延納制度はおすすめです。
※ 「授業料免除」「分納」「延納」いずれも大学に申請できる時期が各大学で決まっているため、必ず申請できる時期を確認しましょう。
奨学金を借りる
学費に困った場合は、奨学金を借りることができます。
奨学金には大きく分けて「貸与型」と「給付型」の2つがあり、日本学生支援機構の奨学金が代表的となっています。
日本学生支援機構の奨学金は、国内の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象としたものです。
それでは詳しくご説明していきます。
貸与型
日本学生支援機構の貸与型には、第一種と第二種があります。
第一種は無利息なため、特に優れた学生で経済的理由によって著しく修学困難な方しか利用できないという貸与条件があります。
第二種は在学中は無利息ですが、卒業後に上限年3%の利息が付くタイプの奨学金で、貸与条件は第一種より緩いです。
この貸与型の奨学金は、契約者が学生本人となり、卒業後に本人が数百万円の返済をしていかなければならない仕組みとなっています。
給付型
給付型は、お金を返済する必要がないタイプの奨学金であり、日本学生支援機構を含め民間企業や地方自治体などが実施しています。
しかしこの給付型を受けるには、高い学習成績と収入基準を満たさなければならず、かなり厳しい条件をクリアする必要があります。
奨学金の注意点
基本的に奨学金を申し込める時期は「春」のみです。
この時期を逃してしまうと申し込めないため、必ず春の申し込めるタイミングを逃さないようにしましょう。
また申し込んでからすぐに入金されるのではなく、実際に入金されるまでに2ヶ月ほどかかることがあるので、お急ぎの方には不向きかもしれません。
国の教育ローンを利用する
奨学金よりも早くお金を手に入れられて、いつでも申し込み可能な「教育ローン」を利用する手段もあります。
教育ローンは、代表的な日本政策金融公庫以外にも金融機関も実施しているため、ご自身に合った教育ローンを利用しましょう。
ここでは、代表的な「日本政策金融公庫の教育ローン」についてご説明していきます。
保護者 | |
金利 | 年1.81%(固定) |
借入額 | 最高350万円 |
返済期間 | 15年以内 |
入金までの期間 | 20日程度 |
利用条件 | 世帯年収(所得)によって異なる 子どもの人数 |
申し込み時期 | いつでも申し込み可能 |
奨学金との併用 | 可能 |
特徴
- 日本政策金融公庫の教育ローンは、電話やインターネットで申し込み可能であり、インターネットなら365日24時間申し込むことができます。
- 教育ローンは奨学金と異なり、在学中から返済していく必要があります。
- 教育ローンは在学中から利息が発生します。
緊急でお金が必要なら、カードローンでお金を借りましょう
時間の余裕もなく、学費を支払えるだけのお金がなくて本当に困っているという状況なら、カードローンの利用を考えてみましょう。
たとえば「学費を支払うために今日中にあと数万円が必要」という場合や「学費の支払いがあるため今月の生活費が足りない」という緊急でお金を手に入れる必要がある場合、カードローンは1万円から借りられる、かつ、即日融資が受けられるためおすすめです。
プロミスやアイフルのカードローンの特徴
カードローンはインターネットで手軽に申し込み可能であり、24時間いつでも時間帯を気にしなくて良いため、急な出費が発生した際などにかなり使いやすいです。
カードローンを利用する際に発生する利子に関してですが、プロミスもアイフルも初めて利用する方なら30日間無利息です。
そのため「今日中にあと1万円が必要なのにどうしよう・・・」という急な出費が発生した場合や、学費の支払いをしなければいけないため「今月の生活費が足りない・・・」という場合、30日以内にお金を返すことができれば緊急事態の救世主になり得ます。
カードローンは20歳以上の学生で収入があるなら借りられます!
カードローンは学生だと利用することができないと思われがちですが、そんなことはないんです。
20歳以上の学生で、アルバイトなどの一定の収入があればカードローンを申し込むことができます。
親や友達に頼むのは少し気が引けるという方は、初めての利用なら30日間無利息で少額からお金を借りられるプロミスやアイフルを使ってみるのも一つの手段です。
プロミス
アイフル
日払いのアルバイトや派遣で収入を増やす
学費が足らないのであれば、普段しているアルバイトの他に日払いのアルバイトや派遣でWワークをしてお金を稼ぐこともできます。
例えば、授業が2コマ目からの日には早朝バイトを入れて、少しの時間でも働くことで中長期的にみればまとまったお金が作れます。
また派遣会社に登録しておいて、授業が休講になった場合など空いている日や時間に働くこともお金を稼ぐ一つの方法です。
日払いのアルバイトや派遣の仕事は仕事内容がさまざまで、日給や時給が高いものも多く、シフトを決めて提出するというようなこともない場合が多いため、あなたに合った働き方ができます。
単発で働けて一人でする仕事もあるので、人見知りをしてしまうタイプの方や職場の人間関係が気になる方は、心配することなく働けますね。
親族・友達からお金を借りる
せっかく大学に入ったのに学費が払えず、大学を辞めなければならないという状況は、あなたを大切に思っていてくれる方にとってはとても悲しいことだと思います。
どうしても学費を支払うことができないという場合、親族や友達にお金を貸してもらえないか相談してみることも一つの方法です。
あなたを信用して、無利子で元本だけを返済すれば良いといった条件を示してもらえる場合もあります。
しかし、親族や友達からお金を借りることで人間関係が悪くなってしまうことがあるので、お金を借りる期間や、いつ返済できるかなどを具体的に伝えましょう。
授業料を払えないままだと最悪の場合、除籍・退学になります
大学側に指定された期日までに学費を納めることができなかった場合、大学から督促状が届いて支払いの催促を受けます。
この催促を受けてもなお授業料などを支払えない状況が続くと、最悪の場合には除籍や退学の処分を受けてしまいます。
また4年生の方で企業に内定をもらっていた場合、内定を取り消される可能性もあるので何が何でも除籍や退学を避けたいですね。
除籍や退学になる条件は各大学によって異なるため、ご自身の通われている大学に確認してみてください。
この除籍と退学では意味が違いますので、以下で詳しくご説明していきます。
除籍とは
除籍とは、個人の「学籍に関する記録」が抹消されることを意味します。
除籍されると中途退学という扱いになり、除籍になった時期と各大学の学則によっては消滅する単位と消滅しない単位が発生します。
よく世間では「在学した事実までもなくなってしまう」という意味に受け取られることが多いです。
しかし、この除籍とは「学籍に関する記録」を消されてしまうことの意味であり、法令に基づく指導要録の表簿により管理されている「学習の状況や健康の状況などの記録」が抹消されるということです。
退学とは
退学とは、卒業前に属する大学の学生としての身分を失うことを意味します。
除籍は取得していた単位が消滅する場合がありますが、退学は授業料を納めた期間に取得した単位は消滅しない点が除籍と退学の大きな違いになります。
このように除籍と退学では処分の内容が大きく異なっており、除籍より退学の方が処分の重さは軽いのです。
また除籍や退学になった方でも復学や再入学することができる大学もあれば、復学も再入学もできない大学もあるので、ご自身の大学に問い合わせてみてください。
在学していた事実もなくなってしまう抹籍
今回は学費を期日までに納入できなかった場合の除籍と退学についてご説明しましたが、抹籍についても少し説明したいと思います。
抹籍とは、在学していた事実がなくなってしまうことを意味します。
世間では抹籍と除籍の意味を混同されてしまいやすいですが「在学した事実までもなくなってしまう」という意味をさす言葉は「抹籍」です。
この抹籍となってしまうケースは、社会的に重大な犯罪を犯した場合です。
抹籍になってしまうと最終学歴が大学に入学もしていない高卒になってしまうので、除籍や退学に比べて最も重い処分です。
やむを得ない場合は、自主的な休学・退学も考えましょう
どこからもお金を調達することができず、どうしても学費を払うことができない場合、自主的に休学したり退学したりするのが最後の選択肢かもしれません。
学費を滞納し続けて除籍や退学の処分を受けてしまうならば、苦肉の策として自ら休学し、休学している間に学費を稼いで学費を払える程度のまとまったお金が作れたら復学するという手もあります。
また今後も学費を払える見込みがなく、今まで取得していた単位も消滅してしまうケースの除籍になってしまうなら、自主退学することも考えたほうがいいかもしれません。
休学や退学を自ら選ぶ際は、独断するのではなくご自身の大学やご家族とよく話し合い慎重に決断しましょう。
注意点
- 休学する期間も大学によっては休学在籍料がかかり、数万円支払わなければならない場合が多いです。ご自身の大学に問い合わせてみましょう。
- 指定校推薦で大学に入学し中退した場合、翌年からの指定校推薦の枠が減らされたり、なくなってしまったりして高校や後輩に迷惑がかかることがあります。
大学の学費が払えない方必見!お金を調達する方法まとめ
急なトラブルで大学の学費が払えない状況は、誰の身にも起こる可能性があります。
せっかく努力して入った大学を辞めずに無事に卒業するためにも、大学側にも相談して「免除」「分納」「延納」などの制度が使えるなら積極的に利用することでお金を調達できることがあります。
諦めずにさまざまな方法を検討して、学費が払えない状況を打破していきましょう。